敬意を表して

20年以上ある精神疾患を抱えて生きる人とセッションをした。セッション自体はイケてなかったけど、ふと、自分の胸のあたりにじんわりあったかいものがあるのを感じた。なんだろうこれは……。名前を探るとそれは「敬意」だった。

私は今すごく敬意を感じてる。あなたに対して。あなたがこれまで人知れず戦ってきたことに対して。そしてあなたがこれからまた、自分の中の違和感に向き合おうとしていることに対して。自分自身に何度でも誠実であらんとする姿に、ひたすらに敬意を表さずにはいられない。

言葉にしてから思った。彼は自分のこういう部分を、称賛したことが今まであっただろうか。傷つきやすいやつだ、悩んでばかりだ、と、けなして排除しようとしてきたんじゃないだろうか。

大きな帆だ。それはきっと。風を正確に拾い上げ、大きく膨らみ、あなたが望む方向に導いてくれる。この言葉が、帆柱の一つになりますように。